「何トロトロしてんだよ、ステラ!置いてくぞ!」

「…うん。」




 今日はキラがいない。
 だから、会いに行くの。







                        三人の冒険。





 今日は朝からキラが居ない。
 整備士に聞いたらキラはネオに呼ばれてMSデッキに言った、と言われた。
 ”お昼寝”の時間、ステラはゆりかごから抜け出しそのピンクの軍服に腕を通し、白いブーツを穿いてキラを探しに行く準備をする。
 が、いざ出発!という時にスティングとアウルに呼び止められた。


「なに?アタシ、急ぐから。」
「ステラ、何処いくんだよ!今から昼寝の時間だろ!」
「アウル、痛いっ、」


 アウルはステラの腕を力いっぱい掴み、ステラはその痛みから顔をしかめた。


「アウル、暴力は駄目だ。」
「はいはい、わかったって。」
「で、ステラは何処にいくつもりだったんだ?」


 スティングはアウルとは違いステラにその理由を優しく問い掛けた。
 その問いにステラは小さく答える。



「…キラを、さがすの。」


 暫しの沈黙。

 スティングとアウルは驚いた。
 普段のステラからはこんな行動に出ることなどなかったし、それが「キラに会いたい」ただそれだけの想いだったことに驚き、言葉がでない。



「アタシ、行くから。」
「ちょっ、ステラ!」


 スティングは慌ててステラの腕を掴みそれを阻止する。
 しかしアウルが逆にスティングの腕をニヤリと笑みを浮かべて言った。


「いいじゃん!面白そうじゃん!ステラ、僕もいく!」
「アウルも?」
「おい、アウルまで、」
「じゃあスティングだけ此処に居ろよ!」


 アウルの言葉にステラは喜び、スティングはさらに驚く。
 しかしアウルもステラもこうなってしまったらもうどうしようもない。


「…わかったよ。」


 スティングは観念したように溜息交じりで答えた。







 此処はMSデッキ。
 意外にもキラはすぐに見つかった。同時に、ネオにも見つかったのだが。


「キラっ!」


 ステラが嬉しそうに駆けていく。
 それを見てアウルもキラのもとへと走っていった。


「みんなどうしたの?」
「ステラがキラに会いたいってさ。」
「ステラが?」
「それに僕もキラ気に入ってるんだよ。」


 キラはそんな二人に笑みを浮かべ言った。


「二人とも、嬉しいよ。」


 そしてスティングにも視線を向け「君も、ありがとね。」と言った。






 その後はネオにゆりかごに戻るように命令され、キラも含め四人でゆりかごへと戻った。

 キラの笑顔で、皆何処か安心した。


「キラ、ステラ…眠くない。」
「僕もー。」
「でも寝ないと…。僕がネオさんに怒られちゃいよ。」


 キラの一言で眠りに就くステラとアウル。
 二人の状態を確認するとキラはスティングの側にいく。


「君も、眠くない?」
「いえ…。」
「?」
 スティングはじっとキラを見つめる。


「な、何?」
「いや、ただ、キラが来てからみんな…ステラも、アウルも、・・・俺も。キラに会うの毎日楽しみにしてるんだ。」
「そういってもらえると嬉しいな。」
「だから・・・。」
「うん、僕も出来るだけ毎日みんなにくるね。」


 そう告げるとスティングも眠りに就いた。






 そしてそんな三人の寝顔を確認するとまたMSデッキへと戻る。今はこうするしかないから。
 その時が来るまで、アスランが来るまで。



「僕も、君に会いたいよ…。」






*end*


あとがき!
わープチギャグ!みんなキラが好きなんです(^^)←めちゃんこ趣味ですが。でも最後はやっぱりアスキラ前提で!(笑)
スティングはあたしの中でこんなキャラですね。アウルも。(あ、このアウルはステラに恋愛感情ないです。)
あたしの中でキラin地球軍がなんか当たり前になってきてるんですが?(にこり)
つーか世間様はやはりキラinザフトの方が多いのかな?(赤服キラも大好物ですけどね!!あはは・・・!)